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初めての挫折

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先週末に行われた空手の昇級審査。結果のメールが、今日届いた。

すずは、無事昇級\(^_^)/
6級となり、いよいよ黄帯だ。よく頑張った♪
本人も大喜びで、新しい帯が届くのを今から心待ちにしている。また帯に名前を刺繍してもらわなきゃなぁ(^_^;)

明日は運命の初試合。自信がついていい励みになっただろう。
彼女は「いつか黒帯になって、テイシェイラ先輩を倒す」という壮大な(笑)夢を持っている。ちなみに「テイシェイラ先輩」とは、極真会館の世界チャンピオン。今日のK-1の試合にも出場していた大先輩だ(^_^;)
まあ、夢を大きく持つのは悪いことではない。その壮大な夢に、ほんの一歩だが近づいたわけだ。

一方、りょうの名前は昇級者リストになかった。初めて審査に落ちたのだ。
前回の審査ですずは飛び級昇級しており、既に1階級の差がついていたから、これで2人は2階級も差が開いたことになる。
こちらは逆に、試合を控えて酷な結果となってしまった。

でも、今回は落ちても仕方ないと、パパもママも納得せざるを得なかった。
だってりょうと来たら、緊張感漂う審査の場だというのに相変わらず注意力散漫・・・。突きや蹴りなどの基本動作では腕も足も上がってないし、拳立て伏せも4回しかできず、50人近くいる受験者の中でも最下位だった。りょうより年下の白帯の子ですら、10回くらいできていたというのに。

先生は苦笑いしながら見ているし、ママ達の素人目に見てもあんまりな内容で、「今回は落ちるかもしれないから覚悟しておきなさいよ」と本人にも言ったくらいだった。
その時は「うん、わかった」とりょうも答えていたけれど、まさか本当に落ちるとは思っていなかったらしい。今まで落ちた事がないから、そうなった時の状況が想像できなかったようだ。

はしゃぐすずの横で、「なんでりょうくんだけ落ちるんだ(`へ´)」「なんか空手辞めたい気分になってきた」とブツブツ文句を言いながらふてくされている。
「あれじゃ落ちても仕方ないよ」とパパに言われても納得がいかないようで、悔しくないのか聞かれても「ぜんぜん悔しくない!」。

ママは料理中だったが、手を止めてりょうを呼び寄せた。

「りょう、審査の時に集中して一生懸命やった?自分で『今日は完璧!』って思った?」
「一生懸命やった!」
「でも、りょうより下の白帯の子よりも、拳立てできなかったんだよ。それでも完璧だと思える?りょうの方が長く空手やってるのに」
「…」
「もうこれ以上一生懸命やることはできない?これがりょうの限界?
もう無理って思うんなら辞めてもいいよ。でも今まで頑張って3年もやってきたのに、1回落ちたくらいで、白帯の子に負けたままで終わるの悔しくない?」
「…」

りょうは黙っていた。が、しばらくして
「…悔しい」と呟いた。強がりばかりのりょうから、ようやく出た本音だった。
「りょうくん、まだやれる」。
「悔しいよね。ママも悔しいよ。今まで頑張ってきたのに。りょうくん、悔しかったね」と答えた途端、堰を切ったように、りょうは「悔しい~!!!」と泣き出した。

叫ぶように泣くりょうを見て、そのいじらしさにママも涙が出てしまった。
グズグズ言うことはあっても基本的に飄々としているりょうが、こんなに感情をむき出しにして悔しがるのは珍しい。注意力散漫だけど、彼なりに真面目に空手と向き合ってきた証拠だと思った。

ママに抱きつきパパに抱きつき、しばらく声を上げて泣いていたが、泣いてスッキリしたのか、落ち着いた後は、パパとすずと3人で腹筋と拳立ての練習を始めた。
「りょうはまだまだできるよ!あとはりょうがどれだけ本気になれるかだと思うよ。今の悔しい気持ちを忘れないで、今度は受かるように頑張ろうね」と言うと、「りょうくん頑張るよ!ありがとう(*^_^*)」と泣き笑いで答えていた。

いつかこういう日が来ると分かっていたけど、1人が受かって1人が落ちると、やっぱり本人達も親も辛い。
せっかく受かったすずも、泣いているりょうを見たら手放しには喜べなくなってしまったし(りょうに気を使って「りょうくん、一緒に練習しよう」と優しく声をかけていた)。逆にすずの新しい色の帯を見たり、すずが道場で上級生扱いされるたびに、りょうは悔しい思いをするんだろうな。
空手だけじゃない。これから受験など、事あるごとに2人はそういう気持ちを味わうんだろう。

でも仕方がない。それが双子の宿命だし、それも成長の一過程と思って受け入れるしかない。
ただ、どちらかが挫折を経験した時は、そのままくさって心が折れてしまわないよう、せめてパパとママは精一杯フォローしよう。その先も、前を向いて歩いていけるように。

とりあえずは、明日の試合。
勝てとは言わない。すずは自信を持って、りょうは今日の悔しさをぶつけて、後悔のないよう力を出し切って欲しいな。
そしていつか、「あの時審査に落ちたことが、結果的にいい方向に結びついたね。落ちて無駄じゃなかったね」と言える日が来るといいなと思っている。

明日は、午前9時集合、午後5時半終了。長い1日になりそうだ(>_<)
親も気合入れて臨まなければ。ただひたすら見守って応援するだけだけど(笑)

by suzuryo0917 | 2009-03-28 22:26 | 双子ネタ